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川端康成『千羽鶴』

bookか行

千羽鶴 (新潮文庫)

千羽鶴 (新潮文庫)

「山の音」以来に読む川端康成。帯には「父の女と。女の娘とー。」と書いてあり、茶会で今は亡き情人の面影をとどめるその息子、菊治と出会った太田夫人はお互いに誘惑したとも抵抗したともなしに夜を共にする…とあらすじにある通り、そこに娘も絡んできて読み進めるとなにやらどろどろ…。人間関係の機微を書かせたら流石だなと思うのですがそれよりも頻繁に出てくるお茶の席での描写、中盤以降の志野茶碗の描写の美しさにハッとしました。美しいものと死の匂いとが複雑に絡まる人間模様と相まって秀逸でした。初めのうちは読むのに中々苦労しましたが。川端康成はまさかの「雪国」を読んでいないのでそろそろ手をつけるべきでしょうかね。しかしそれよりも本棚には「古都」が控えていたりします。