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櫻子さんの足下には死体が埋まっている

bookあ行

表題作の「蝶は十一月に消えた」が妖しく美しい狂気に彩られていてぞくりとする。いっそこの話を京極作品レベルの分厚さで堪能したい程。次作への繋がりも見えてきて暫く楽しめそうなシリーズだ。

「骨は、死んでからもメッセージをくれる。死んだ後も、動物たちは俺に教えてくれるんだ。〜中略〜悲しんでいるだけでは進めない。俺は飼育者でもあるから、死から新たに学ばなきゃならない。次の命に繋げていかなければ、死んでいった動物に申し訳ないからね。だから、学びたいんだ―いや、学ばなきゃならないんだよ。一つの死を、次の生に変えるために」

っていう飼育員の沢さんの言葉がなんとなく心に残りました。生と死のなかの骨の位置って何処なんだろうとふと思ったりして。なんか骨がなければ人間なんてぐにゃんぐにゃんになってしまうのに、それでも人間を人間たらしめているのはなんとなく心臓だったり脳味噌だったりという思いが強い。どちらかが止まれば人間として終わってしまうかのような。でもその臓器を骨が守っているんだよね。でも骨というと生よりも死の側により近い気がするのです。火葬場での色々な記憶が強すぎるのだろうか。死んだら骨になる。煙になる。どうも私はそう信じてやまない。