読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

午後の曳航

bookま行

三島由紀夫はコツコツと集めています。

午後の曳航 (新潮文庫)

午後の曳航 (新潮文庫)

「彼らは危険の定義がわかっていないんだ。危険とは、実体的な世界がちょっと傷付き、ちょっと血が流れ、新聞が大さわぎで書き立てることだと思っている。それが何だというんだ。本当の危険とは、生きているというそのことの他にはありゃしない。生きているということは存在の単なる混乱なんだけど、存在を一瞬毎にもともとの無秩序にまで解体し、その不安を餌にして、一瞬毎に存在を造り変えようという本当にイカれた仕事なんだからな。こんな危険はどこにもないよ。存在自体の不安というものはないのに、生きることがそれを作り出すんだ。

という子供たちの、将来の姿、すなわち大人というものに対する言葉、思想の数々がとっても興味深いです。この文章は一番好きなところ。ラストシーンも色々想像をめぐらせて読みました。